日本モンゴル名称万覚帳ーその八(翁草)

春を告げる花はヤルグイ

モンゴル高原の春を告げる花はヤルグイ(yargui)である。詩歌など文学作品にしばしば登場し、モンゴル人に愛される代表的に植物である。和名は、オキナグサ(翁草)で、白頭草とも呼ぶ。古来モンゴル民族は、ヤルグイを薬草として利用してきた。とくに皮膚のいろいろな傷や炎症の治療に利用してきたのだ。
ヤルグイの花咲く期間は7-10日と短いが、地形や雨に恵まれれば、秋に再度花を咲かせる場合がある。それをHenz yargui 、つまり遅咲きオキナグサと呼ぶ。ヤルグイの種類は全世界で35種あり、その内、モンゴルに6種がよく見られるという。
『ヤルグイよ、何を急ぐ』、チンギス・ハーン・バンドが歌った『短い春のヤルグイ』などの名曲がある。モンゴル高原はまもなくヤルグイの季節を迎える。

                           文責:B@B

日本モンゴル名称万覚帳ーその七(西洋松虫草)

モンゴル国の国花ーBer tsetseg

モンゴル国政府は。2014年10月25日の定例会議において、Ber tsetsegをモンゴル国民の安寧と自然を愛する心の象徴として国花(Үндэсний бахархалт цэцэг)に決定した(縦文字表記は写真をご参照)。ところで、このBer tsetseg の和名は、西洋松虫草(セイヨウマツムシソウ)である。モンゴル国が誇る文豪、学者であるB・リンチェンのBer tsetsegという長編詩はあまりにも有名である。

余談だが,筆者はずっと日本の国花は桜だと思っていたが,菊(udval tsetseg)も日本の国花だそうである。つまり日本は国花が二つもあることだ。知らなかった自分が恥ずかしいが、日本人の友人との話のネタになればうれしい。

モンゴルの国花に関する詳しい情報は下記のリンクをご覧ください。

http://mongolnews.blog133.fc2.com/blog-entry-917.html?sp

文責 B@B

日本モンゴル名称万覚帳ーその六(-カワセミ)

空飛ぶ宝石-カワセミ

美しい列島日本のあちらこちらで生息しているカワセミは、その鮮やかな姿から「空飛ぶ宝石」と言われている。筆者のよく散歩する高麗川の辺りでも時々見かけられる。

しかし、そう簡単に出会うことができないのもカワセミの神秘性を高めているようだ。そのためにいつしかカワセミは幸運を呼ぶ鳥として広く認識されるようになったと言う。カワセミは、その可愛すぎる姿、そして水中に勢いよく飛び込んで小魚などの獲る「飛び込み式ハンティング」をすることもあって、野鳥写真家だけではなく、一般の人にも人気が高い。

この季節も暖かい地方の川辺でカワセミを見かけるチャンスがあるから、皆様にはご散歩の際にぜひ見つけて幸運に恵まれるようお祈りしたい。そして2023年において皆の描く夢ががすべて叶えられように心から祈りたい。

ところで、カワセミはモンゴル語でなんと言うのだろうか。はい、номин шогшир( nomin shogshir)です(縦モンゴル文字は写真を参照)。日本では多くの地域で「自治体の鳥」として指定されているという。

なお、令和5年より、このコーナー名は「日本モンゴル植物名称万覚帳」を「日本モンゴル名称万覚帳ー」に変えて不定期的に連載予定である。つまり植物に拘らず広く思うままに書いていきたい。ご理解のほどお願いする次第である。

文責:B@B

 

写真は、下記のサイトより転載。

Номин шогшир :: www.touristinfocenter.mn