日本モンゴル名称万覚帳その十七(柿)

秋の味覚の代表格と言えば、なんと言っても柿だ。来日中の義理の両親は内モンゴルにはないと言っては美味しく食べている。内モンゴルでは冬になると冷凍柿が市場に出回り、それをよく買って食べていた記憶がある。食べると言うよりも吸っていたと言う表現が妥当であるかもしれない。

ところで、モンゴル語で、柿のことをshavtal(シャブタル)と言い、干し柿のことをイルジゲン・チヘ、直訳すれば「驢馬の耳」と言う。モンゴル語のインターネットを見ると、両者を混同しているように思われる。

何で干し柿が「驢馬の耳」になったのかは不明だが、モンゴルの諺に「聞き耳を持たない」ことを「驢馬の耳に金貨を入れても振る、アルガル(乾燥牛糞)を入れても振る」と言うのがある。驢馬のようにならないように「ちゃんと聞く耳を持ちなさい」と言う先祖の戒めなのかもしれない、と勝手に解釈しておこう。

文責:B@B