日本モンゴル名称万覚帳―その十二

「はしか」

5月12日夕方、「はしか感染 都内では2020年以来 30代女性と40代男性」という気になるニュースが飛び込んできた。大人が重症化しやすい病気だそうだが、筆者が気になったのは症状よりもそのモンゴル語名称だ。

調べてみたところ、モンゴル語では、Ulaan burhan と言うそうである。モンゴル国のインターネット上も感染予防等を呼び掛けている記事が多くみられる。

筆者は、Ulaan burhanという病名については、モンゴル国の著名な文学者である,Ch・ロドイダンバ氏(1917-1970)の長編小説『清らかなタミル川』に何度か登場するのを思い出した。と同時に、主人公の一人である、豪傑Tsahiur To’mor が感染し、あわや命を落としそうになった、Tsagaan burhanという病名も浮かんでくる。日常的にほとんど気にしない病名だが、モンゴル語で覚えておくのは損はしない。

Ulaan burhan                    麻疹(はしか)

Tsagaan burhan (Tsetseg o’vchinともいう)   天然痘

 

ちなみに、昨年コロナの変異株と認められ、100以上の国で感染が報告された「サル痘」は、モンゴル語で、Sarmagchnii tsetseg o’vchin(Сармагчны цэцэг өвчин)である。

文責:B@B

日本モンゴル名称万覚帳―その十一

ツツジ(躑躅)

初夏にかけて咲く代表格の花の一つがツツジ(躑躅)だ。その全般に当てはまる花言葉は「慎み」や「節度」、「節制」、「自制心」、「努力」、「訓練」だそうで、特によく見かけるピンクの「ツツジ」の花言葉は、「愛の喜び」だと言われている。

ツツジはモンゴルでも人気のある花で、Далийн ягаан(Daliin yagaan、ダリーン・ヤガーン)と呼ばれている。モンゴル国フブスゲル県エルデニボルガン郡は10年前から毎年5月に「Далийн баяр」(ダリーン・バヤル)、つまり「ツツジ・フェスタ」を開催している。ツツジの花は疲労回復やリラックスするのに効果的であり、またその美しさが人々を楽しませるため、同郡は観光客誘致の一大イベントとして開催していると言う。今年は第11回ツツジ・フェスタを5月初旬に開催するそうである。

文責 B@B

日本モンゴル名称万覚帳―その十

今あちこちで咲き誇っているチューリップの花。「世界でもっとも美しい花ベスト10」にもランキングされている名花である。

全体の花言葉は、「愛の告白」「美しい瞳」だが、色によって花言葉が違うようだ。例えば、赤いチューリップの花言葉は「家族への感謝」で、ピンクのチューリップの花言葉は「労い」だそうである。

ところで、この名花はモンゴル語でАлтанзул цэцэг、カタカナ表記にすれば、アルタン・ゾル・ツェツェグである。アルタンは金色で、ゾルは燭または灯りである。「金色の燭」という意味だ。きれいな言葉だと思う。花は美しさでも言葉でも癒してくれる。

文責:B@B