日本モンゴル植物名称万覚帳―その五(皇帝ダリア)

   先日、高麗川のところへ散歩に行く途中、ある家の庭から空高く咲くピンクのきれいな花を見かけた。はじめて見る花だ。植物に詳しいフェースブックの友人に教えてもらおうと思い、スマホで撮影して送ったところ、数秒後に「皇帝ダリアですね」という返事が来た。

 ダリアという花はモンゴル語でも知っていた。Mandarvaaである。モンゴルでは、花の中の皇帝と認識され、ダリアが咲くと万神が喜ぶと言われるほどだ。モンゴル人女性によくある名前である。

  しかし、「皇帝ダリア」となると、 文字通りHaan Mandarvaaになるかなとモンゴルのサイトでいろいろ検索してみたところ、「Эзэн хааны мандарваа/Ezen haanii Mandarvaa」という言葉がようやくヒットした。写真も一致した(縦モンゴル文字名称は写真を参照されたい)。花言葉は「乙女の真心」「乙女の純潔」だそうだ。なるほどとすぐ納得する。ちなみに中国語では「大麗花」「天竺牡丹」と呼ぶそうである。

  散歩中に別の庭でも見かけた。今が見頃のダリア。みなさんもぜひ見つけて楽しんでください。

                文責:B@B

日本モンゴル植物名称万覚帳その四(コスモス)

  秋になると、あちこちで綺麗に咲くコスモス。モンゴルでも一般的にCosmos と呼ばれているが、固有のモンゴル語の名称がある。恥ずかしいながら、その名称を知ったのはつい最近である。
  Энхэлгэнэである(縦モンゴル文字は写真を参照されたい)。女の子が生まれたら、絶対に付けたいくらい可愛い名前だった。
  モンゴル語の語彙は豊富な埋蔵量を誇る金鉱のようだ。
           文責:B@B

日本モンゴル植物名称万覚帳―その三(銀杏)

1966年(昭和41年)11月14日、都民投票で「イチョウ(銀杏)」が「東京の木」に決定し、発表された。東京の黄葉スポットである明治神宮外苑イチョウ並木は300メートルも続く、「黄金ロード」としてあまりにも有名である。

ところで、「いちょう(銀杏)」はモンゴル語で「мөнгөн гүйлс」と言う(写真をご参照)。ちなみに大相撲の関取が結う髷は大銀杏と言われるが、髷の先端が銀杏の葉に似ていることに由来している。

日本でよく見かける「銀杏の木」。モンゴル語でもその名称はしっかり覚えておこう。身近なものの名称をモンゴル語で考える習慣を身につけることはモンゴル語の保護・伝承にもつながっていく。

                           文責:B@B