日本モンゴル名称万覚帳ーその八(翁草)

春を告げる花はヤルグイ

モンゴル高原の春を告げる花はヤルグイ(yargui)である。詩歌など文学作品にしばしば登場し、モンゴル人に愛される代表的に植物である。和名は、オキナグサ(翁草)で、白頭草とも呼ぶ。古来モンゴル民族は、ヤルグイを薬草として利用してきた。とくに皮膚のいろいろな傷や炎症の治療に利用してきたのだ。
ヤルグイの花咲く期間は7-10日と短いが、地形や雨に恵まれれば、秋に再度花を咲かせる場合がある。それをHenz yargui 、つまり遅咲きオキナグサと呼ぶ。ヤルグイの種類は全世界で35種あり、その内、モンゴルに6種がよく見られるという。
『ヤルグイよ、何を急ぐ』、チンギス・ハーン・バンドが歌った『短い春のヤルグイ』などの名曲がある。モンゴル高原はまもなくヤルグイの季節を迎える。

                           文責:B@B