チンギス・ハーン大祭でヒーロー誕生

        チンギス・ハーン祭祀における最大の祭祀活動である「チンギス・ハーン大祭」が2018年5月2‐9日、内モンゴル自治区オルドス市にあるチンギス・ハーン陵で盛大に開催された。その一環として、5‐6日に512名のブフ・トーナメント大会が行われた。内モンゴル各地から雲集した強者たちが名誉ある優勝を目指した熱い戦いを繰り広げた。

優勝賞品はチンギス・ハーン大祭にふさわしく、9頭の白い馬と賞金である。2016、2017年の大会ではシリンゴル盟西ウジュムチン旗出身の横綱ツァガーンザーンが連覇。今年はその三連覇が期待されていた。しかし、優勝候補に挙がっていなかった、シリンゴル盟アバガ旗出身のツァガーンザーン(27歳)が準決勝で同名の横綱ツァガーンザーンを倒し、決勝戦で同東ウジュムチン旗の強豪バトジャルガルに土をつけ、栄冠に輝いた。

アバガ旗の力士がよその旗で開催される512名の大会で優勝するのは、34年ぶりとあって地元の人々は大興奮。7日に、9頭の白い馬とともに凱旋した際に、アバガ旗ビルグダイ広場に大勢の住民が集まり、盛大に出迎えた。モンゴル地域では力士は当該地域の象徴であるからだ。

ツァガーンザーンは、2015年にシリンゴル盟称号獲得戦で準優勝となり、アイマギーン・アルスラン(盟の準優勝者称号)を獲得。四代にわたる力士一家に生まれ育った。

今回の優勝で、彼は一気にヒーローになり、モンゴルの人々に称賛されている。

文責:B@B