ブフ・シリーズ大会中継決定

昨日(5月29日)、内モンゴルテレビ局は、内モンゴル各地で開催される12のブフ大会をシリーズ化し、2018-2019年度における年間優勝決定戦を行う壮大な企画を発表した。同イベントは、内モンゴルラジオテレビ放送局、シリンゴル盟行政署が主催し、内モンゴル衛生テレビ、シリンゴル各旗が請け負い、内モンゴル体育局社会体育推進センターが協賛する形になっているようだ。

具体的な方法として、大会ごとの力士の成績に評価点を与え、12大会の総合点数によって順位をつけ、点数の高い力士が年間優勝決定戦への出場権を獲得する。評価点は256名のトーナメント大会を基準とし、一回戦敗退(出場)1点、1勝(二回戦進出)2点、2勝(三回戦進出)4点、3勝(四回戦進出)8点、4勝(五回戦進出)16点、5勝(六回戦進出)32点、6勝(七会戦進出)64点、7勝(八回戦進出)128点、8勝(優勝)256点で、512名のトーナメントの場合は、2回戦から同じ基準で評価点を与えていく。また開催地が出場力士の成績により、当該地の16名の力士にシード権を与えて、その他はすべてくじ引きで取組みを決めるという。

もう一つの新しい試みとして、年間優勝決定戦において、それまでの総合点数の順位で、上位力士が対戦相手を指名することができることである。つまり、対戦に際し、上位力士が下位力士を自由に指名できることになる。このルールについては、筆者は否定的な見解を示している。そもそも指名対戦という伝統のない内モンゴルにおいて指名対戦ルールがどんな影響をもたらすのか。同じ出身地の力士同士の「無気力相撲」や八百長など不正を助長する恐れがあるからである。モンゴル国では、国家称号制度があり、2003年の「国家ナーダムに関するモンゴル国の法律」が採択されるまでは、3回戦から決勝戦まで国家称号のある力士がその称号の順位で対戦相手を指名して戦っていたが、それが八百長の温床となっているとして、4回戦と6回戦を人為的取組編成へと変更している。その経験から見ても、指名対戦形式を安易に取り入れるべきではないかと考えられる。なお、上記の評価点や年間優勝決定戦のルールなどは総合的判断により再検討する用意があるそうで、試行錯誤を繰り返しながら最善の方式を考案してほしい。

ブフ・シリーズ大会は、明日シリンゴル盟アバガ旗で開催される「チンギス聖山祭祀」奉納大会から始まる。

全体的に言えば、この企画は素晴らしく、内モンゴルにおけるブフの発展に大きな役割を果たすことは間違いないだろう。

文責:B@B

*写真はイメージである。