9月1日はモンゴル国「母語の日」

モンゴル国前大統領 Kh.バトトルガ氏が2017年8月25日、大統領令を発布し、9月1日を母語の日と制定した。内容は次の通りである。

一、毎年の9月1日を「母語の日」と制定する。

ニ、モンゴル国におけるすべての国民、各世帯、政府及び非政府機関、各企業、各種教育機関はこの日を母語の日として慣例化し、記念行事を行うこと。

この大統領令は、モンゴル国内において各個人から政府機関まで9月1日を母語の日として慣例化し、さまざまな活動を行うよう呼び掛けている。

ユネスコは1999年に毎年2月21日を「世界母語の日」として制定した。それは、1952年2月21日、バングラデシュ人民共和国(当時は東ベンガル)で繰り広げられたベンガル語国語化運動に由来する。ウィキペディアによると、ベンガル語国語化運動は、かつての東ベンガル(1956年に東パキスタン、1971年にバングラデシュに改名)における政治運動であった。ベンガル語運動とも呼ばれる。政府業務における使用、教育言語としての使用の継続、メディア、通貨、切手における使用を可能にし、ベンガル文字での筆記を維持するため、当時のパキスタン自治領の公用語としてのベンガル語の承認を唱道した。

当時の西パキスタンがウルドゥー語を公用語として宣言したことに対し、1952年2月21日、東パキスタンの人々が抗議を行い、警察の発砲により犠牲者が出た。1956年にベンガル語は公式の地位を得た。現在、バングラデシュでは、2月21日(Ekushey February)は「言語運動の日」として国民の祝日になっている。

昨年9月1日から内モンゴルにおいて、従来のモンゴル語を主とする第一類双語(二言語)教育が中国語を主とする第二類双語教育へ転換され、内モンゴルで大規模な抗議活動が行われたことは記憶に新しい。日本でも「9.12東京大デモ」などさまざまな抗議活動が行われた。今後内モンゴルにおけるモンゴル語母語の保護は多難な道程を歩まねばならないが、各個人、各家庭において意識的に母語の継承活動を行い、さらに海外においても組織的に母語保護活動やモンゴル文化の宣伝、普及活動を忍耐強く続けることが大切であろう。モンゴル母語の使用、モンゴル文字の活用など具体的かつ日常的な実践が不可欠である。母語の保護はまずは足元から始めよう。

      文責 B@B

参考文献

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%83%B3%E3%82%AC%E3%83%AB%E8%AA%9E%E5%9B%BD%E8%AA%9E%E5%8C%96%E9%81%8B%E5%8B%95