世界詩歌記念日の提唱者はモンゴル系詩人だった

     1999年に、ユネスコは世界文学活動の促進を図るために3月21日を『世界詩歌記念日』(World Poetry Day)に制定した。この日は世界各地で詩歌にちなんだ様々なイベントが開かれる。モンゴル詩人たちも例外なく詩を書き、この日を記念してきた。しかし、この『世界詩歌記念日』の提唱者がモンゴル系の詩人だったことはほとんど知られていない。

今年四月にモンゴル国の著名な詩人G・アヨールザナらがカザフスタンの名詩人バヒタジャン・カナピヤノフの詩集『木の葉』をモンゴル語に翻訳・出版した。その際氏は、Zaluu.mnの記者に対して、同詩集の作者であるバヒタジャン・カナピヤノフについて「チンギス・ハーンの長男ジュチの直系である」であるという興味深い情報を提供した。またその記事によると、モンゴル国国民作家称号を持つD・チョードル氏の藩士として、氏が1996年ころバヒタジャン・カナピヤノフと一緒にロシアのゴーリキー文学大学で学んでおり、ある日ロシア詩人祭で、バヒタジャン・カナピヤノフが3月21日を世界詩歌記念日に制定する提案をし、大勢の詩人たちの賛同を得たと伝えている。それが事実なら、その3年後の1999年にユネスコが3月21日を世界詩歌記念日に正式に決定したことになる。それはモンゴル系の詩人の快挙とも言えよう。

ロシア語インターネットで調べると、バヒタジャン・カナピヤノフは1951年10月4日にカザフスタンに生まれた。今年58歳。カザフスタンが誇る詩人、作家、脚本家、映画監督であるという。またカザフスタンの労働英雄章受章者である。 ヨーロッパ文学連盟メンバーなどを務める。

カザフスタンは1236年からチンギス・ハーンの長男ジュチの息子のバトゥ用いるモンゴル騎馬軍団に征服され、1242年からはバトゥが建てたジュチ・ウルス(キプチャク・ハン国=欽察汗国)の支配下にあった。そうした歴史的経緯を考慮すれば、バヒタジャン・カナピヤノフがジュチの直系である可能性は十分あるのではないかと思われる。    文責:B@B

この記事は、https://dnn.mn/ном-ярьж-өгье-алтан-ургийн-бахытжан-канапьяновын-мөчир-монголчлогдлоо/に基づき、編集・加筆したものである。