牛の三つ子

   モンゴル国ヘンティ県ビンデル郡セルーンボラガ・バグ(町)の遊牧民ツォグトさんの雌牛に三つ子が生まれたという。雌牛が三つ子を産むのは非常に珍しい。
  ヤギの三つ子はよくある。その場合、ホトアイル(複数世帯からなる宿営地集団)の子どもたちを短距離競争で競わせ、優勝した子に一頭を上げる習慣がある。そのヤギの子はペットのように育てられる。
   家畜の三つ子は縁起がいいと考えられている。ツォグト家の家畜がますます繁殖するよう祈りたい。
                         文責:  B@B

謎のチンギス・ハーンの切手

チンギス・ハーンをシンボルとした郵便切手といえば、6年前にモンゴル国で発行された「チンギス・ハーン850」が頭に浮かぶ。聖主チンギス・ハーン生誕850周年を記念して、モンゴル国政府が発行し、博物館に永久保存し、19,800枚発売したのである。

しかし、昨年9月3日、実在不明のある国がチンギス・ハーン切手を発行。「人類史上類を見ない世界に君臨した大国を創建したチンギス・ハーンの崩御790周記念」と書かれており、発行元は、Federal Republic of Lostislandとなっている。

インターネットで調べてみると、Federal Republic of Lostislandについて次のように情報が見当たった。

「ロストアイランド連邦共和国(英語: Federal Republic of Lostisland)は、国家を模倣した世界的な主権・文化社会的プロジェクト。ミクロネーションの一つとみなされることもある。通称はロストアイランド。   ロシアの学生グループが2008年7月2日に設立した、ロールプレイングゲームのクランを前身とする。クランのユーザーであったロシア人ヴァイオリニストのヤロスワフ・マールは、ゲームを実世界に実装することを企図し、自由と民主主義の原則に基づいた国家プロジェクトとして、ロストアイランド共和国を2010年9月に建国した。2013年にパブロフ王国と統合して連邦制を施行、以降ロストアイランド連邦共和国を称する。   自らを文化的・社会的プロジェクトと称しており、憲法でもその存在を国際会員制組織であると規定している。南太平洋に位置するハンター島と、南極のアレクサンダー島を国家の象徴とするが、その領有権は積極的に主張していない。

つまり想像上の国家ということだろうか。それにしても偉大なるチンギス・ハーンの切手を発行するとは、我々として素晴らしいことだと思う。どこかの出版社とは天と地の差である。         文責:B@B

情報源:www.breakingnews.mn

在日モンゴル人らが抗議デモ―コロコロコミック漫画で

  2018年2月26日午後、東京都神保町にある小学館の前で、「チンギス・ハーン!」、「チンギス・ハーン侮辱は許さん」、「全面回収しろ」のコールが響きわたった。小学館の月刊誌「チンギス・ハーンにいたずら描きコロコロコミック」2018年3月号(2月15日に発売)に掲載されている漫画「やりすぎ!!!イタズラくん」(著者:吉野あすみ氏)が、モンゴル民族の祖先であり信仰の対象でもあるチンギス・ハーンを冒涜しとして在日モンゴル人らが立ち上がり、100名近くが怒りの抗議デモを行ったのである。

同漫画には、モンゴル帝国の初代皇帝であるチンギス・ハーンが登場し、チンギス・ハーンの肖像を見て問題に答えるシーンで、肖像の額の部分に男性器を模したイタズラ描きが描かれている。それがモンゴル人たちを激怒させたのである。なぜなら、チンギス・ハーンは、単なる歴史人物ではなく、モンゴル国および内モンゴルなどモンゴル地域において、モンゴル民族の精神的支柱であり、もっとも大切な信仰でもあるからである。

チンギス・ハーン祭祀は、その没後(1227年)に始まり、『蒙古源流』(1662年)など文献には「あまねく国々の守護神」と記載されている。チンギス・ハーン祭祀はすなわちチンギス・ハーン信仰と見ることができ、今日においても根強い。したがって、モンゴル民族にとって、チンギス・ハーンは「英雄」をはるかに超えた、誇り高きモンゴル民族の祖先であり、神様である。チンギス・ハーンの肖像に性器が描かれることは、チンギス・ハーンへの冒涜であり、モンゴル民族、国家への冒涜であり、モンゴル民族の神聖な信仰への冒涜であると、モンゴル民族の人々は共通に認識し、憤慨しているのは、十分理解できる。小学館という日本屈指の出版社がこのようなチンギス・ハーン信仰に配慮しなかったとしたら、知的想像力が欠けているとしか言えないだろう。

抗議デモに参加したモンゴル民族の人々は、チンギス・ハーンの冒涜は到底許されない蛮行であり、文明の国日本にあってはならないとしながら、子供向けの雑誌でありながら、偉人たちの顔にイタズラ描きをさせるコンテストを行うこと自体、モラルの上でも教育的視点からも極めて不適切であり、社会的問題となっているイジメの助長にもなりかねないと指摘。

抗議デモを行った経緯として、小学館が駐日本国モンゴル大使館に謝罪しながら、問題の漫画雑誌の販売停止や回収など誠意ある具体的な対応を取らなかったことへの不満が募ったことも一因のようだ。

小学館に対し、次のように求めた。①チンギス・ハーン冒涜のコロコロコミック3月号の速やかな販売停止と回収。②チンギス・ハーン冒涜に関して誠意ある謝罪をすること。③次号及び朝日新聞など主要紙に謝罪文を掲載することなど。それらの要請が受け入れらなかった場合には、世界中のモンゴル民族と連携し、各国で抗議デモを続けるほか、法的手段にも訴える用意があるとした。コロコロコミック3月号は月刊誌という性格上、まもなく店頭から自然に消えるだろうが、チンギス・ハーンを冒涜した事実は消えないだろう。

抗議デモは日本のメディアに取り上げられた。またモンゴル国のTV5社にも取り上げられ、数十万人から抗議デモへの理解と支持する声が寄せられた。抗議活動の前後から、「不適切表現」があったとして、紀伊国屋など大手書店は同漫画誌の販売停止を決めるなど、日本国内でも同漫画誌への「不適切表現」についての認識が高まっているようである。

はたして小学館は誠意ある対応を見せるのだろうか。

文責:B@B

 

 

日本における主な記事、報道

https://mainichi.jp/articles/20180227/k00/00m/040/062000c

http://www.sankei.com/entertainments/news/180226/ent1802260020-n1.html

http://news.tv-asahi.co.jp/news_politics/articles/000121566.html

https://www.asahi.com/articles/ASL2R643YL2RUTFK01K.html

http://www.huffingtonpost.jp/2018/02/26/genghis-khan_a_23371714/

http://blog.esuteru.com/archives/9063885.html